幸せは自分で来てくれない1【漠然と結婚を考える】

ふとショウウィンドウに写った私を見て「私っていつまでオサゲするつもりなんだろう。」そう思ってしまった事が結婚を考え始めた切欠です。
ストローハットをかぶったオサゲ髪の私は、年齢より若く見えたとしてもすでに32才の未婚女性です。
充分過ぎる大人になってしまいました。
高級志向の子供服のチーフデザイナーをしていますから普通のOLさんよりも若干お給料に余裕はありますが、チーフともなれば後輩から追われる立場でもあり心安らかとは行きません。
雑誌などに私のデザインの服が掲載されてればとても嬉しいものですが、私個人を評価されているものではありません。
部屋で一人ほくそ笑む。。。という類の喜びです。
誰かと分かち合う、そういうものはどこにもありませんでした。

結婚をしたいと感じた男性もいました。
しかし家庭と仕事の両立を考えると、夢中で仕事に没頭する時期でしたからとても難しく感じ、「完璧な両立」を望むその男性との結婚は無理だと、私は別れを決意しました。
それが25才のころでしたから、8年ほど近く結婚の話とは無縁で暮らしてきたのです。

結婚が娘時代との正式なお別れになるものであればオサゲ髪は「未熟な女性の象徴」のように感じ、その日は落ち込んでしまいました。
自分のデザインした服を娘に着せるという夢も、今のままでは難しくなってしまいます。
勿論その気持ばかりで仕事を続けてきたのではないのですが、一つの証としてそれが望みでもあります。
結婚。。。そのことを漠然と考え始めました。

実家の父から電話があり「土曜日にでも帰ってこい」そう言われました。
どうせ「結婚はどうなっている、相手はいるのか」そう訊かれるに決まっています。
いくら結婚を漠然と考え始めたとは言っても、男親にあれこれと言われるのは苦痛です。
しかも父は自分で自分を常識人だと信じて疑わない堅物で、私がしている仕事もヤクザな仕事、女は結婚すれば家庭に入って仕事はパートぐらいでいい、そう思っている人なのです。
事あるごとに結婚結婚!という父は、世間体を気にしている節も大いにあり、それも私をイライラさせることの一つです。
重い気持ちを抱えたまま、その土曜日がやってきてしまいました。

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